2012年、私たち家族(私、妻、娘)は千葉県から佐賀市富士町へ移住してきました。

それまでは、東京の出版社で競輪記者をしていた私。

学生時代、水泳の選手だったこともあり、スポーツの素晴らしさ、

レースの中の人間ドラマを描く仕事にやりがいを感じていました。

ところが、2011年の東日本大震災。当時、街から食料品が消え、

日常が一気に崩れてしまいました。土地に根付いた暮らしと、

以前から興味があった農業をスタートするために選んだ場所が、ここ富士町。

地元の方々から農地をお借りして、ピーマンの栽培から『恵良農園』は始まりました。


農業研修などを受けずに独学で始めた農業は予想以上に大変でした。
畑では試行錯誤の毎日。本を読んでみても、書いてある通りにはいきません。
結果を日誌に記し、野菜と向き合う時間。
それが少しずつ経験値に変わり、大地の恵みを受けれるようになった時の喜びは今でも忘れません。
そう、野菜のことを教えてくれたのは野菜たちだったのです。

また、特に大変だったのが、真夏にカッパを着て、ゴーグルを装着して農薬を散布する作業。
このきれいな土地に農薬を撒くことへの抵抗もありました。
そこでたどり着いたのが「農薬に頼らない農業」です。
学生時代から水泳の選手として体づくりに余念がない生活を送ってきた私にとって、
化学肥料や農薬に抵抗があったのかも知れません。

農薬や化学肥料の代わりに野菜たちに与えるのは、ミネラルたっぷりの塩と自然由来の糖蜜。
農薬のように即効性はありませんが、野菜の生育は格段に良くなり野菜本来の「甘み」を引き出しました。
恵良農園の野菜を「おいしい!」と言っていただけるのは、この農法のおかげだと自負しています。


就農から毎年、1品種ずつ増やすことを目標に、
ピーマン、ナス、ミニトマト、ズッキーニなどを育て、確実に生産技術を磨いてきました。
恵良農園では、季節ごとに5品目ほどの野菜が収穫できます。
少量多品目をつくる農業は、お客さまへセット野菜を販売するため。
旬の野菜を5品種ほどセットにしてお届け。
野菜からカレンダーのように山の暦を感じて欲しいのです。
そして、何より食べ物をこの手でつくるワクワクを伝えていきたいと思っています。
そんな想いが通じてか、私たちの野菜を食べたお客さまの多くは、富士町へ遊びに来てくれます。
畑を紹介したら、野菜たっぷりのカレーでおもてなし。のんびりと山の時間を過ごしてもらいます。
産地を知り、みなさんが楽しむ様子を見ると、嬉しく感じます。

私たちが移住してきてからも、耕作放棄地は増える一方。
しかし、多くの人が高齢や後継者不足で放棄した地で、私たちは新たな喜びと誇りを育てています。
「農ある暮らし」を確立させ、さらには考えの近い移住者を呼び込み、この暮らしを続けていきたいですね。

山間部の農ある営みに興味のある人はお気軽にご相談ください。きっと、力になれると思います。




恵良農園では理念を共有して一緒に働いてくれる仲間を募集しています。

ご興味がある方は恵良農園ブログ
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恵良農園

私たちの農園は佐賀と福岡の県境近く、標高350mほどの山の中に位置しています。
通年で30種類以上の野菜を農薬・化成肥料に頼らない方法で生産しており、メインの作物はピーマン、ナス、ミニトマトなどの夏野菜です。